映画 おすすめ・ランキング

法廷・裁判・冤罪を描いた映画。シリアスな社会派ドラマやコメディなど。

今日は法廷・裁判をテーマにした映画をピックアップしました。

民事裁判、刑事裁判、軍事法廷、SFなど、様々な法廷が映画の中で描かれています。

果たして法は正義を守ることができるのか?

複雑な人間模様と社会問題を盛り込んだ見ごたえのある作品がずらりと揃っています。

※結末そのものには触れていませんが、雰囲気は伝わる場合はありますので、ご注意ください。

リンク先の個別感想記事はネタバレをしております。本記事は随時更新です。随時、観た映画を追加していきます。

▽30日間無料で試せる▽

『十二人の怒れる男』

監督:シドニー・ルメット
出演:ヘンリー・フォンダ
製作:1957年/アメリカ

ニューヨークの裁判所。18歳の不良少年が実父殺害の容疑で裁かれようとしていた。12人の陪審員たちは評決の投票をするが、ただひとり陪審員8番だけが無罪を主張し、改めて審議が行なわれることに。それでなくても疲れきっていた11人は苛立つが、8番の説得によって次々と無罪に転じていく。はたして審議の行方は?映画.com

ほぼ密室で、陪審員たちが会話をしているだけの作品ですが、最後まで飽きることなく惹きつけられてしまう裁判映画の傑作です。

12人の陪審員のうち、たった一人だけ無罪を確信する男が、証拠の矛盾を理論的に追求していくことで、陪審員たちの意見が一人、また一人と「無罪」に変わっていく。見事なまでに論理的な展開に思わずうならされます。

『情婦』

監督:ビリー・ワイルダー
出演:マレーネ・ディートリヒ/チャールズ・ロートン/エルザ・ランチェスター/タイロン・パワー
製作:1957年/アメリカ

ロンドンで、裕福な未亡人の刺殺事件が起きる。容疑の疑いがかけられたレナードは、ロンドンきっての敏腕弁護士ローバーツ卿に弁護を依頼する。しかし、唯一のアリバイを証言する妻が思いもよらないことを口にし……。映画.com

本作はできる限り前知識なしに観ることをおすすめします。

「まさか!」という展開に言葉を失いました。これ以上は何も言いません、言えません…。私の人生のベスト10に入る大好きな作品です。

『評決』

監督:シドニー・ルメット
出演:ポール・ニューマン/シャーロット・ランプリング
製作:1982年/アメリカ

過去の一件が原因でどん底の日々を送っていた中年弁護士のポールは医療ミス事件の裁判にかつぎ出されることに。被害者を目のあたりにしたポールは正義に目覚め、病院側が申し出た示談を蹴ってしまう。やがて病院側は辣腕弁護士コンキャノンを雇い、ポールと法廷で争うことに。ポールは裁判の準備を進める一方、ローラという女性と親しくなるが……。映画.com

人生に絶望し、投げやりになっていた弁護士ポールが再び正義のために立ち上がる。忘れかけていた「熱い気持ち」を取り戻し、己の信念と正義のために勝ち目のない闘いに挑んでいきます。

冒頭、ポール・ニューマン演じる中年弁護士はすっかりくたびれて生気がないのですが、「あること」をきっかけに表情ががらりと変わります。

『暴力脱獄』『スティング』『ハスラー』などアウトロー的ヒーローを演じることの多かったポール・ニューマンの「枯れた演技」は必見です。

『ア・フュー・グッドメン』

監督:ロブ・ライナー
出演:トム・クルーズ/デミ・ムーア/ジャック・ニコルソン
製作:1992年/アメリカ

キューバ米海軍基地で起った不審な殺人事件の真相を探る若き弁護士の姿を中心に、軍隊内の組織悪を暴く過程での、登場人物たちの人間的成長を描くドラマ。映画.com

白い軍服に身を包んだトム・クルーズの凛々しさが光ります。

軍隊内の犯罪をテーマにした作品で、馴染みが少なく、人間関係が複雑なのでストーリーを追うのがやや大変ですが、クライマックスのトム・クルーズとジャック・ニコルソンの法廷での対決は見ごたえ十分。

裁判を通じて青臭さが消えて、一人前の男へと変わっていく若手弁護士の成長ストーリーとしても楽しめます。

『ジャッジ 裁かれる判事』

監督:デビッド・ドブキン
出演:ロバート・ダウニー・Jr./ロバート・デュバル/ベラ・ファーミガ
製作:2014年/アメリカ

有能な弁護士だが真偽よりも勝利にこだわり、金持ちを強引に無罪することで知られるハンク・パルマー。父のジョセフ・パルマーは世間から信頼を集める判事だったが、そんな父が苦手なハンクは、長らく父と絶縁状態にあった。しかし、ある時、ジョセフが殺人事件の容疑者として逮捕されるという事件が起こり、ハンクが弁護人を務めることに。正義の人である父が殺人を犯すはずがないと信じるハンクだったが、調査が進むにつれて疑わしき証拠が次々と浮上する。映画.com

生き方の違う父と子の姿が描かれます。

確執があり、疎遠になっていた父の弁護を息子が担当することになりますが、父にとって疑わしい証拠が次々に見つかり、息子の父への信頼が揺らいでいきます。

衝突を繰り返し、互いに素直になれない親子が裁判を通じて、少しずつわだかまりを溶かしてく。父の「老い」の表現したショッキングなシーンはロバート・デュバルの役者魂を見ました。

『依頼人』

監督:ジョエル・シューマッカー
出演:スーザン・サランドン/ブラッド・レンフロ/トミー・リー・ジョーンズ
製作:1994年/アメリカ

偶然自殺の現場を目撃し、ある事件について″知りすぎた″少年が過去に傷を持つ女弁護士とともに様々な利害の渦巻く社会の中で戦っていくヒューマン・サスペンス。映画.com

今は亡き、ブラッド・レンフロのデビュー作です。5000人の中から選ばれました。

ませており、やんちゃざかりですが、幼いながら母と弟と守ろうとする少年マークを演じています。レンフロは本作で一躍人気子役になりました。

メインの3人のキャラクターがよくて、それぞれの掛け合いが絶妙。マフィアだけでなく検察も敵に回してのスリリングなストーリー展開で、最後までハラハラしっぱなしです。

『真実の行方』

監督:グレゴリー・ホブリット
出演:リチャード・ギア/エドワード・ノートン/ローラ・リニー
製作:1996年/アメリカ

冬のシカゴ。大司教ラシュマンが自宅で全身をナイフで刺されて殺され、事件直後、現場から血まみれで逃亡した19歳の青年アーロン(エドワード・ノートン)が逮捕された。マスコミに注目されて華々しく活躍する弁護士マーティン(リチャード・ギア)は事件を知るや、自ら彼の弁護を無償で引き受けた。映画.com

エドワード・ノートンは本作の演技で一気に有名になりました。

20年以上前の作品でオチ自体は珍しいものではないのですが、それを支える俳優陣の演技の見事。結末がわかっていても、「その瞬間」は鳥肌が立つ思いでした。

エドワード・ノートンは第69回アカデミー助演男優賞にノミネート。

リチャード・ギアは俗世の欲望にまみれた弁護士を演じています^^;

『エリン・ブロコビッチ』

監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ジュリア・ロバーツ/アルバート・フィニー/アーロン・エッカート
製作:2000年/アメリカ

カリフォルニアの小さな町に住むエリンは、幼い子供を3人も抱えているのに仕事もお金もなく、しまいには車の衝突事故に遭い怪我までする始末。雇った弁護士エドは和解金を取れず、借金はかさむ一方だ。窮地に追い込まれたエリンは、エドの弁護士事務所に押しかけて居座り、エドはしぶしぶ彼女を雇い入れる。不動産関係のファイル整理を任された彼女は、ある書類に不審を抱いて調査を始め、大企業が引き起こした周辺地域の水質汚染に気付く。映画.com

ジュリア・ロバーツがアカデミー主演女優賞を受賞した作品。

実話が元になっている作品で、学も教養もないシングルマザーが大企業を相手に訴訟を起こします。

スカッと気持ちいい作品。明るくて豪快なエリン・ブロコビッチのキャラクターがとても好感が持てます。胸の谷間も気になります。

正義が巨悪を倒して溜飲が下がりますので、後味いい作品を求めている方におすすめ。

『告発の行方』

監督:ジョナサン・カプラン
出演:ジョディ・フォスター/ケリー・マクギリス
製作:1988年/アメリカ

ミルという名の酒場から飛び出してきた若い男が、公衆電話から警察にレイプ事件が起きていると通報、彼の後を追うようにミルから出てきた半裸の女性が通りで必死に車を止めてそれに乗り込んだ…。被害者の名はサラ・トバイアス(ジョディ・フォスター)。酔ってマリワナも吸っていた彼女を3人の男達が犯したのだという。映画.com

ジョディ・フォスターがアカデミー主演女優賞を受賞しました。本作はかなりショッキングなシーンがありますのでご注意ください。

性犯罪は被害者に落ち度があるように言われることがありますが、本作でもそうです。ジョディ・フォスターが演じたサラはいわゆる「清楚」な女性というよりは、「蓮っ葉」な感じがあります。

裁判でも「被害者の落ち度」を徹底的に責められます。男たちも自分たちの犯した罪の重さを自覚しておらず、周りは無理解な敵ばかり…。しかしサラはどれほど傷つけられても立ち上がる。サラの強さ、そして彼女を支える女弁護士との友情と絆も見ごたえあります。

『告発』

監督:マーク・ロッコ
出演:クリスチャン・スレーター/ケビン・ベーコン
製作:1994年/アメリカ

30年代後半、サンフランシスコ。若きエリート弁護士ジェームズ・スタンフィル(クリスチャン・スレイター)の初仕事は、アルカトラズ刑務所内で起きた殺人事件だった。被告は25年の刑に服役中のヘンリー・ヤング(ケヴィン・ベーコン)という若い囚人だった。ジェームズの度重なる訪問に、ヘンリーは少しずつ心を開くが、事件のことには触れたがらない。映画.com

なぜヘンリー・ヤングは殺人を犯したのか?

ヘンリーの供述からアルカトラズ刑務所の劣悪な環境や囚人に対する虐待が明らかになっていきます。この事件がのちにアルカトラズ刑務所を閉鎖に追い込むことになります。

ヘンリーが受ける非人道的な扱いは非常に痛ましく、目を背けたくなります。若き弁護士と囚人。立場を越えた友情が芽生えていくところは少しだけ救われる思いがしますが、後味の悪い作品です。

『クレイマー、クレイマー』

監督:ロバート・ベントン
出演:ダスティン・ホフマン/メリル・ストリープ/ジャスティン・ヘンリー
製作:1979年/アメリカ

毎晩深夜に帰宅する仕事人間の夫テッドに愛想を尽かし、自分自身を取り戻すために家出した妻のジョアンナ。その翌日からテッドは7歳の息子を抱え、仕事と家庭の両立に励むが、家出から1年後、ジョアンナが息子の養育権を主張し、テッドを提訴する……。映画.com

幼い息子の親権を争う夫婦の姿が描かれます。名優ダスティン・ホフマンとメリル・ストリープの共演(ともにオスカーを獲得)

突然、妻が家出してしまい、幼い息子と二人暮らしをすることになってしまった父親テッド。今まですべてを妻にまかせっきりだったテッドは、一人で子育てをすることによって人間的に大きく変わっていきます。

「父が息子のために作るフレンチトースト」にテッドの努力が現れているように思います。

1980年度アカデミー賞で9部門ノミネート、5部門受賞。幼いながら助演男優賞にノミネートされたジャスティン・ヘンリーの大人顔負けの演技も必見の価値あり。(当時の最年少でのノミネート)

『ディアボロス 悪魔の扉』

監督:テイラー・ハックフォード
出演:キアヌ・リーヴス/アル・パチーノ/シャリーズ・セロン
製作:1997年/アメリカ

フロリダ州の若手弁護士ケヴィン(キアヌ・リーヴス)は法廷での無敗記録を伸ばし続けていた。妻のメアリー・アン(チャーリズ・セロン)らと祝杯をあげていたケヴィンはNYのミルトン法律事務所からスカウトされる。事務所の社長ジョン・ミルトン(アル・パチーノ)に見込まれたケヴィンは役員待遇で迎え入れられた。映画.com

アル・パチーノの濃いすぎる演技が強烈に印象に残ります。とにかく濃い!

訴訟社会のアメリカで、悪魔が法曹として力を発揮し、社会を牛耳ろうとしているという斬新な設定で、キアヌ・リーヴス演じる若手弁護士が悪魔に誘惑されます。

地位や名誉、富、美しい女。人はこれらの誘惑に打ち勝ち、正義と信念を貫くことができるのか?悪魔の罠は、そうと気づかぬうちに人間に忍び寄ってきているのかもしれません。

『スタンドアップ』

監督:ニキ・カーロ
出演:シャーリーズ・セロン/フランシス・マクドーマンド/リチャード・ジェンキンス/ジェレミー・レナー
製作:2005年/アメリカ

「モンスター」のオスカー女優シャーリーズ・セロン主演で、全米初のセクシャル・ハラスメント訴訟勝訴の実話を映画化。シングルマザーのジョージーは故郷に戻り炭鉱で働き始めるが、男性達の露骨な嫌がらせに直面する。映画.com

全米初のセクハラ訴訟を描いた、実話を元にした作品です。

炭鉱という男性の多い職場で起きた出来事で、男たちにとっては女性は自分たちのテリトリーに入り込んだ異物のようなもの。彼女らを追いだすために執拗な嫌がらせが繰り返されます。その様子は吐き気がするほど醜悪、一人では何もできないくせに、集団で弱い立場の人間を苛め抜くのです。

たった一人で立ち上がった女性ジョージーは、少しずつ少しずつ支援を広げていく。特に同じ炭鉱で働いていた父親とのやりとりは涙なくして観ることができません。

シャーリーズ・セロンとフランシス・マクドーマンドが揃ってオスカーにノミネートされました。

『スリーパーズ』

監督:バリー・レビンソン
出演:ケビン・ベーコン/ブラッド・ピット/ブラッド・レンフロ/ジェイソン・パトリック
製作:1996年/アメリカ

ちょっとした悪ふざけが大事故を引き起こしていまい、少年院に送られることとなった4人の少年。彼らを待ち受けていたのは、看守たちから暴力と性的虐待を受け続ける地獄のような毎日だった。心に傷を負ったまま大人になり、それぞれの道へ進んだ彼らは、ある事件をきっかけに看守たちへの復讐に乗り出す。映画.com

仲間たちとの輝きに満ちた少年時代が、「ちょっとしたいたずら」で暗転してしまう。

少年院に送られ、大人になっても苦しみ続ける大きな傷を負った4人の少年たちの復讐と絆が描かれます。彼らが虐待を受けるシーンは胸が痛いですが、進む道が変わり住む世界が変わっても、変わらない友情で結ばれた男性たちの姿には強い感動を覚えます。

人気絶頂だったブラッド・ピットの少年時代を、天才子役のブラッド・レンフロが演じています。その他、ロバート・デ・ニーロ、ダスティン・ホフマン、ケビン・べーコンなど演技派が勢ぞろいした見ごたえのあるヒューマンドラマです。

『フィラデルフィア』

監督:ジョナサン・デミ
出演:トム・ハンクス/デンゼル・ワシントン
製作:1993年/アメリカ

一流法律事務所に勤務する弁護士ベケットは、自分がエイズに感染したことを知る。やがて会社はベケットに解雇を宣告。エイズ患者に対する不当な差別だとしてベケットは訴訟を決意し、以前は敵として法廷で闘ったことのあるミラーに弁護を依頼する。ミラーはベケットがエイズ患者であり、かつ同性愛者であることに偏見を抱き、一度は依頼を断るが、それでも偏見や蔑視と戦おうとするベケットの姿に心を打たれ、弁護を引き受けることに。しかし、裁判は日に日に衰弱していくベケットとその関係者にとって過酷なものになっていく……。映画.com

『評決のとき』

監督:ジョエル・シュマッカー
出演:マシュー・マコノヒー/サンドラ・ブロック
製作:1996年/アメリカ

ミシシッピー州の街カントン。黒人労働者カール・リー(サミュエル・L・ジャクソン)の10歳になる娘トーニャが2人の凶暴な白人青年にレイプされた。トーニャは一命は取り留めたものの子供の産めない体になってしまい、復讐を誓ったカール・リーはマシンガンを持って裁判所に出向いて二人を射殺。この時、傍らにいた保安官助手ルーニーも重傷を負った。人種差別が根強く残るこの街では黒人の白人殺しは特に不利だったが、若手弁護士のジェイク(マシュー・マコノヒー)は、苦労を覚悟でカール・リーの弁護を引き受ける。映画.com

作品中で描かれる人種差別のひどさに言葉を失います。黒人と白人の命に歴然とした「差」がある…。いったいなぜ?疑問と怒りを感じずにはいられません。

黒人の殺人犯の弁護を引き受けたジェイクは度重なる嫌がらせや脅しを受けます。なぜそこまで黒人が憎いのか、理解に苦しみます。しかし脅しに屈することなく、ジェイクは正義を貫こうとします。そのまっすぐな姿、特にクライマックスの法廷でのジェイクの弁論は強く胸を揺さぶります。

『レインメーカー』

監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:マット・デイモン/クレア・デーンズ/ジョン・ヴォイト
製作:1997年/アメリカ

弁護士志望の青年ルーディ・ベイラー(マット・デイモン)は苦労の末、悪徳弁護士のブルーザー・ストーン(ミッキー・ローク)に雇われた。相棒のデック(ダニー・デヴィート)は、病院に通いつめて交通事故の被害者から委任状をとりつけるという強引なやり口など、法律の実態をルーディに教える。悪徳巣食う法廷に挑む若き弁護士の苦闘を描いた法廷ドラマ。映画.com

司法試験に合格したばかりの新米弁護士が、巨大な敵に戦いを挑んでいく姿が描かれます。

経験の浅さゆえに侮られミスを犯しても、自分が信じる正義のため、自分を必要としてくれる人々のために孤独な戦いを続ける弁護士ルーディを若き日のマット・デイモンが演じています。夫からのDVに悩む人妻とのロマンスも絡み、ドラマチックな展開に惹きつけられる作品です。

ミッキー・ロークとダニー・デビートが演じるうさん臭さいっぱいの悪徳弁護士も、味わい深い。

『ザ・ファーム 法律事務所』

監督:シドニー・ポラック
出演:トム・クルーズ/ジーン・ハックマン/エド・ハリス
製作:1997年/アメリカ

ハーバード大学を優秀な成績で卒業したミッチはある法律事務所から内定を受ける。最高の労働条件を提示され、大喜びで就職するミッチ。だが、この事務所には謎の死を遂げた4人の弁護士がいたことが判明。やがてミッチは事務所とシカゴ・マフィアの繋がりを知り……。映画.com

破格の条件で迎え入れられた大手法律事務所には裏の顔がありました。世の中、美味しい話には裏があり、裏があることに気づいた時は遅すぎるのです…。

あの手この手でミッチを悪の道に絡め取ろうとする事務所が不気味です。そこから抜け出ようとするミッチと事務所の応酬は緊迫感に満ち、2時間半の長さは気になりません。

ラストのオチの「そう来たか!」という意外性が非常に好みです。派手さはありませんが、ストーリー、俳優陣ともに魅力的な良作です。

『黄金のアデーレ 名画の帰還』

監督:サイモン・カーティス
出演:ヘレン・ミレン/ライアン・レイノルズ
製作:2015年/アメリカ・イギリス

アメリカに住む82歳のマリア・アルトマンがオーストリア政府を相手に裁判を起こした。世界中を驚かせたその裁判は、クリムトが描いたマリアの叔母アデーレの肖像画「黄金のアデーレ」の返還要求だった。ナチス統治下のオーストリアで、ナチスによって奪われたその名画には、マリア自身と彼女を取り巻く人々のさまざまな記憶が詰まっていた。映画.com

一人の老女が政府を相手に訴訟を起こす…。たった1枚の絵のために…。とてもドラマチックなお話ですが、実話を元にしています。

ヘレン・ミレンの演じたマリアのチャーミングなおばあちゃんぶりが好きです。

たった1枚の絵だけれども、そこには『ただの絵』以上に様々な想いがあったのです。戦争の悲惨さ、過ちを認めることの難しさ、様々なことを考えせられる作品です。

『父の祈りを』

監督:ジム・シェリダン
出演:ダニエル・デイ・ルイス/エマ・トンプソン
製作:1993年/イギリス・アメリカ

爆破テロ容疑で逮捕された親子が無実を勝ち取るまでを、父と子の絆の強さの中に描いた社会派ヒューマンドラマ。75年に口ンドンで実際に起こった冤罪事件 ギルフォード・フォーの被害者ジェリー・ロンドンの追想記『Proved Innocent』を、「マイ・レフトフット」の監督ジム・シェリダン、主演ダニエル・デイ・ルイスのコンビで映画化。映画.com

実際に起きた冤罪事件を元にして作られた作品。

主人公は決して品行方正な人間ではなくいい加減で、好感を持てる人物ではありません。しかし、あまりに一方的な警察のやり方には強い怒りを感じます。

父と息子の和解と絆は感動的ですが、彼らの人生は取り返しがつかないほどに破壊されてしまいました。やりきれなさが残る後味の悪い映画です。

『アラバマ物語』

監督:ロバート・マリガン
出演:グレゴリー・ペック/メアリー・バダム
製作:1962年/アメリカ

人種的偏見が根強く残るアメリカ南部で、白人女性への暴行容疑で逮捕された黒人青年の事件を担当する弁護士アティカス・フィンチの物語。当時の出来事を、後に成長した娘のスカウトが回想するという形式をとっている。Wikipedia

人種差別をテーマにした作品。誠実で正義感溢れる弁護士の姿が描かれます。

弁護士の娘スカウトの視点から過去を振り返る、描かれ方なので娘の父への思いが感じられてとてもいいです。

正義と公正を貫く弁護士の姿は強くて美しい。

アメリカではグレゴリー・ペックの演じたフィンチ弁護士は理想の父親像として根強い人気を持っているそうです。若き日のロバート・デュバルも出演しています。

『猿の惑星』

監督:フランクリン・J・シャフナー
出演:チャールストン・ヘストン/ロディ・マクドウォール/キム・ハンター
製作:1968年/アメリカ

地球から320光年の長い旅の末、とある惑星に不時着した宇宙飛行士。そこは、言葉を話す猿たちが原始的な人間たちを支配する惑星だった。人間狩りをする猿の軍隊に捕らえられた主人公テイラーは、コーネリアスとジーラという猿の助けを借り、一緒に捕らえられた人間の娘ノバを連れ逃亡を図るのだが……。映画.com

SF映画史上に残る名作。SF作品ですが、本作にも裁判のシーンがあります。主人公が不時着した惑星は猿に支配されており、その星ではオランウータンが裁判官なんです。

オランウータンに人間が裁かれる、というシュールな展開が観られます。オランウータンが見せる「見ざる、言わざる、聞かざる」のポーズもぜひチェック!

『エミリー・ローズ』

監督:スコット・デリクソン
出演:ローラ・リニー/ジェニファー・カーペンター/トム・ウィルキンソン
製作:2005年/アメリカ

悪魔にとり憑かれた女子大生エミリー・ローズにムーア神父が悪魔祓いを施すが、エミリーは死亡。ムーアは過失致死罪の容疑で裁判にかけられ、野心的な女性弁護士エリンが彼の弁護を担当するが……。映画.com

悪魔祓いによる過失致死を裁く、という珍しい切り口の裁判が描かれます。

検察側は「適切な治療を受けさせるべきだった。」と主張し、弁護側は「超常現象だった。」ということを証明しようとする。両者の裁判での論戦がとても興味深いです。(実話が元になっています。)

悪魔に憑りつかれた少女、エミリー・ローズを演じたジェニファー・カーペンターの熱演が光ります。劇場公開当時「悪魔のイナバウワー」と呼ばれるポーズがあまりに怖すぎて、CMに非難が殺到しました。

『キューティ・ブロンド』

監督:ロバート・ルケティック
出演:リース・ウィザースプーン/ルーク・ウィルソン
製作:2001年/アメリカ

おしゃれで成績優秀のブロンド美人エルは、政治家を目指す恋人に「ブロンドは官僚夫人に不向き」と振られ、彼を追って難関ハーバード・ロー・スクールに進学。周囲のブロンドへの偏見の中、弁護士をめざして奮闘する。映画.com

リース・ウィザースプーンの代表作。可愛いものとおしゃれが大好きなエルが、弁護士目指して頑張ります。

エルがとにかく明るくて前向きで、彼女のひたむきな姿に元気をもらえます。ピンク色に彩られた頑張る女性のための映画です。

『JFK』

監督:オリバー・ストーン
出演:ケビン・コスナー/シシー・スペイセク/トミー・リー・ジョーンズ
製作:1991年/アメリカ

アメリカ現代史上の一大事件で今なお謎の残るジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件を、新たな調査資料をもとに検証したドラマ。映画.com

現在もなお、謎が多く残るケネディ大統領暗殺事件の真相に迫った作品。たった一人で真実を暴こうとする、正義感あふれる地方検事をケビン・コスナーが演じました。

1992年アカデミー賞8部門にノミネート(二部門受賞)

『紳士は金髪がお好き』

監督:ハワード・ホークス
出演:チャールズ・コバーン/ジョージ・ウィンスロウ/マリリン・モンロー
製作:1952年/アメリカ

ローレライとドロシーはナイトクラブで踊り子をしながら玉の輿に乗ることを夢見ている。ローレライは金持ちの息子ガスをつかまえているが、彼の父親は2人の挙式に反対している。ローレライとドロシーはフランス旅行を決行して豪華客船に乗り込み、ガスの父は彼女の素行を調べるため私立探偵マローンを送り込み……。映画.com

マリリン・モンローの可愛らしさ、セクシーさ、甘ったるい声、とにかくマリリンの魅力が満載の作品。

玉の輿を夢見ている、お金持ちが大好き!な女性の役にもかかわらず、嫌味な感じが一切ない。彼女にねだられたら、いくらでもお金をあげたくなってしまう(笑)不思議な魅力に満ちています。

ストーリーはシンプルで、わかりやすいハッピーエンド。本当に素敵なのでマリリン目当てで観ても損はないです。

『別離』

監督:アスガー・ファルハディ
出演:レイラ・ハタミ/ペイマン・モアディ/シャハブ・ホセイニ
製作:2011年/イラン

離婚の危機を迎えた夫婦を軸に、両親をつなぎとめようとする娘や、彼らの問題に巻き込まれてしまうもうひとつの家族の物語が絡み合い、複雑な人間心理を描き出していく。映画.com

日頃あまり馴染みのないイランの裁判が描かれます。

観ていて、とにかく疲れます。次から次に難題が降りかかり、よかれと思ってしたことも悪い方向に転がってしまう。もつれにもつれて、ほどきようがないほどに複雑に絡み合った難題に、げんなりさせられます。

イランならではの風習や価値観にカルチャーショックを受けるシーンもあります。胸が痛くなるほど、重苦しい展開を見せてくれる作品、どっぷり重い映画が好みの方にはぜひおすすめ。

『ライアーライアー』

監督:トム・シャドヤック
出演:ジム・キャリー/モーラ・ティアニー
製作:1997年/アメリカ

突然ウソがつけなくなってしまった、やり手の弁護士の悪戦苦闘ぶりを描いたコメディ。「ケーブルガイ」のコメディアン、ジム・キャリーが出世作「エース・ベンチュラ」のトム・シャドヤック監督と3年ぶりに組み、得意の顔面演技や形態模写、オーバーアクトを披露して笑いを誘う。映画.com

ジム・キャリーお得意の「顔芸」が存分に堪能することができるコメディ。

法廷でも家庭でも嘘をつきまくっていた弁護士が突然嘘がつけなくなってしまう。慌てふためき、パニックに陥りながらも「誠実さ」「正直さ」に目覚めていきます。

たくさん笑って、元気になれる作品です。子役もかわらしい^^

『アイ・アム・サム』

監督:ジェシー・ネルソン
出演:ショーン・ペン/ダコタ・ファニング/ミシェル・ファイファー
製作:2001年/アメリカ

7歳の知能しか持たないサムは、コーヒーショップで働きながら、ひとり娘ルーシーを育てるが、ソーシャル・ワーカーに娘を取り上げられ、敏腕女性弁護士に助けを求める。彼女は夫と息子との関係に悩んでいた。映画.com

「子供にとって幸せとは?」

子供に対する愛情に溢れていても、7歳程度の知能しかない父親が、子供にふさわしい環境を与えることができるのか?

きれいごとでは済まない難しい問いかけです。ミシェル・ファイファー演じる女性弁護士も当初は懐疑的でした。しかし、サムとルーシー、心から愛し合い、思い合っている親子の姿に徐々に考えが変わっていく。

天使のように愛らしい天才子役ダコタ・ファニングの大人顔負けの芸達者ぶりと、主人公サムを演じたショーン・ペンの演技力にはただただ脱帽。

ショーン・ペンが第74回アカデミー主演男優賞にノミネート。

『ビッグ・アイズ』

監督:ティム・バートン
出演:エイミー・アダムス/クリストルフ・ヴァルツ
製作:2014年/アメリカ

悲しげで大きな目をした子どもを描いたウォルター・キーンの「ビッグ・アイズ」シリーズは、ハリウッド女優たちにも愛され、世界中で大ブームになる。作者のウォルターも美術界の寵児として脚光を浴びるが、実はその絵はウォルターの妻マーガレットが描いていたものだった。絵は飛ぶように売れていくが、内気な性格のマーガレットは、自分の感情を表すことができる唯一の手段である「ビッグ・アイズ」を守るため、真実を公表することを決意する。映画.com

一人の女性が自分自身を取り戻していくために、裁判を起こして戦います。内気で自己主張の苦手な女性が、「自分自身にとって大切なもの」のために立ち上がるのです。

主人公マーガレットの表情・声がどんどん力強く変わっていきます。クリストフ・ヴァルツが演じたモラハラ夫ウォルターの狂気もみごたえあり。裁判でのウォルターの振る舞いはその異常性が際立たせます。

嘘みたいですが、本当のお話です。