ジブリの名作アニメ『千と千尋の神隠し』のモデルとも言われる群馬県・四万温泉にある「積善館」、宿泊レポ2回目です。
前回は四万温泉・積善館の建物外観についてご紹介しました。
今回はいよいよ積善館の内部に入ります。
積善館の宿泊レポ
ちなみに積善館は『こちら葛飾区亀有公園前派出所』にも登場したことがあります。本館入口に漫画のコピーが貼られてありました。
あの両さんも訪れたこともあるお宿。楽しみが増します!!
外観も歴史と趣きがありましたが、内部もまたすごいんです!
ジブリファン必見のスポットもあります。
▽積善館の詳細・口コミの確認はこちら
積善館は3つの建物からなります。
積善館は「本館」「山荘」「佳松亭」の3つの建物からなります。3つの建物が山の斜面に建っていて新しいほどに斜面の上の方に建っています。
群馬県重要文化財「本館」は日本最古の湯宿建築
積善館の「本館」は元禄4年に建てられた、群馬県の重要文化財にも指定されている建物で、日本最古の木造湯宿建築とされています。
こちらの本館では普通の旅館スタイルとは異なった「湯治スタイル」を楽しむことができます。
湯治スタイルって?
昔は病気やけがの治療のために温泉のお湯につかったのですよ。お湯の治療で「湯治」。
目的は「治療」なので、宿のようなおもてなしはありませんでした。
「湯治スタイル」ということで、本館では
- 布団の上げ下ろしは自分自身
- 食事はお弁当
という風になります。(※本来の湯治は自炊ですが、文化財のため火の使用は控えているためお弁当。)
文豪たちに愛された「山荘」は群馬県近代遺産に登録
群馬県の近代遺産に登録されている桃山様式造りを取り入れた建物。昭和初期に建てられ、柳原白蓮や文豪たちに愛されたそうです。
我々が宿泊するのはこの山荘です!!
一番新しい「佳松亭」は現代的な雰囲気の宿
山の一番高い場所にある新しい建物。木々に囲まれ、しっとりと落ち着きのある現代的な温泉宿の雰囲気です。
チェックインは佳松亭のラウンジ「猩々」にて。
本館の帳場にてチェックインしたい旨を告げると佳松亭のラウンジに案内してくれます。
積善館は山の斜面に建てられており、何度も増改築がされているので内部が非常に複雑なのです。なので本館からラウンジまでけっこう歩くことになりました。
以下は館内図(公式サイトからお借りしました)
右側の赤い丸が本館玄関、左上の赤い丸がラウンジです。
階段登ったりエレベーター乗ったり…。方向音痴の人は館内で迷ってしまうかも(←私だ!)ラウンジにたどり着くまで冒険してるみたいな気持ちになりましたよ。
ラウンジに向かう途中で、『千と千尋の神隠し』を彷彿とさせるような『浪漫のトンネル』と『鏡の廊下』があります。(上記案内図の青い丸をご参照ください。)
ラウンジに向かう途中で出会った風景
さて、本館帳場から佳松亭に向かいます。
▽帳場には懐かしいラムネも。
▽帳場の横の電話ボックス。
携帯電話の普及に伴い、公衆電話ボックスはなかなか見かけなくなりました。
きっとこのボックスは戦前から人と人とつないできたものなのでしょう。
古い木の階段を登っていくと、そこには…。
『浪漫のトンネル』
積善館と言えばココ!というくらい有名なスポット。
その名は『浪漫のトンネル』
まさに異世界への入り口のような、あの向こう側に湯婆婆(ゆばーば)がいてもおかしくない。そんな気持ちになります。
「いつか行きたいと思っていた場所に、今、私は確かにいるんだ…。」
不思議な気持ちになりました。『千と千尋の神隠し』は大好きなので、積善館の浪漫のトンネルを知って以来、ずーっと憧れの場所でした。
この日、ひとつ私の夢が叶いました(*^-^)ニコ
耳を澄ませば、かすかな水音。
地下水が湧き出てくるので常に排水しているらしく、水が流れていました。
トンネルの奥にはエレベーターがあります。
『鏡の廊下』
ラウンジに続く『鏡の廊下』
両側に鏡が貼られた幻想的な雰囲気の廊下です。
ラウンジ『猩々』
チェックインはこちらにて。
このラウンジで夕食と朝食をいただくことになります。
チェックイン手続きを済ませたらお部屋に向かいます。
廊下に敷かれた赤いじゅうたんが歴史を感じさせます。
古いけれどもその古さが懐かしく、心地いい。
オススメ!館内歴史ツアーに参加しよう!!
積善館の亭主さん主催の館内歴史ツアーが開催されています。
時間が許す限り参加してみてください!本当に素晴らしいんです。
基本は16時から開催されており、予約なしで参加できるそうですが、亭主さんおひとりでやられているので出張や体調不良の場合には開催されないことがあるそうです。(2016年時点の情報です。詳細は宿へお問い合わせください。)
この日は参加者の数も多く、大賑わいでした。
亭主さんの明るい人柄で笑いのこぼれる素敵なツアーとなりました。
スライドを観ながら積善館の歴史を聞かせていただく。
まずはスライドで昔の積善館の写真を見せていただき、今の建物とどこか同じでどこが違っているのか解説してくださいました。
今はバスですいっと来れてしまいますが、昔は徒歩か人力車で人々が訪れていました。
それも中之条から道が開通してからのお話で、道が拓ける前はけもの道のような険しい道を歩いてくるしかなかったそうです。
かつて温泉は観光ではなく治療に訪れる場所でした。「病やけがを治したい。」切実な思いを抱えて訪れる場所だったのですね。
スライドの中にあった母親らしき年老いた女性を背負った若い女性の写真…。なんだか胸が詰まるような思いがしました。
「お母さん、元気になってくださいね。」
そんな娘さんの祈りの声が聞こえてくるような気がしました。
スライド上映と亭主さんのお話を聞かせていただいた後は館内を巡ります。
積善館はジブリのモデル?自称ではありません。
あ、そうそう。亭主さんから言われたこと。
積善館が某ジブリアニメのモデルではないか、と言われ始めたのはテレビ番組がきっかけでスタジオジブリ、積善館が公式に認めていることではないそうです。
決して積善館が勝手に言ってるわけではなく「売名行為」ではありません、とのことです。(勘違いして批判する人もいるらしく、それは違います!と言っておられました(笑))
ただ、宮崎駿監督が実際に積善館に宿泊したことは紛れもない事実です。
亭主さんと宮崎監督の記念写真を見せていただきましたので、そこは間違いなし。
宮崎駿監督の中に刻まれたいくつもの光景が、まぜこぜになって練り込まれ、新しく生み出されたのものが「油屋」なのでしょう。
かつてはサムライさんも訪れました。
さて、話を戻します。
写真は本館にある大浴場『元禄の湯』の前あたりです。
現代の物よりも低めの天井。畳の廊下が続きます。
この柱。昔は馬でやってきた人が馬を繋いでおく場所だったとか。柱が少し削れているのは縄の跡だそうです。
▽昔の道具や書状などが並べられています。
▽宿で使われていた書見台。ここでそろばん叩いて事務処理をしていたそうです。
▽火鉢と願いが込められた絵馬。
▽「上段の間」
一段高くなっているこの部屋はお侍さんのお部屋。一般の人は上がれませんでした。
▽見事な格子の細工!こういう細工があちこちにあって、見ても見ても見飽きることがありません。
古い建築物が好きな人はきっと楽しめると思います!!
▽どこか、異世界に繋がっていそうな階段
普通の階段でさえ、なんともいえない幻想的な雰囲気を持っています。古い建物はそれ全体に何かが宿っているような気がしますね。
誰もいないのに、何かの気配が満ちているような…。
階段を登っていくとひょっこりと”何か”に出会えたりして。カオナシとか。それはそれで怖いかな(笑)
次回は大正ロマンあふれる、お部屋編です。
積善館の宿泊予約について
積善館は以下のサイトから宿泊予約ができます。
↓ネット限定プラン、タイムセールなど、お得なプランもあります。
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