ふらっと旅に出たくなることがあります。
- 日常をリセットしたくなったとき。
- パワーの充電が必要になったとき。
ちょっと遠くに行きたい気分になります。旅って、自分自身を縛るものから解放したり見つめ直すきっかけになることがありますよね。
この記事は「人生を変える旅」を描いたロードムービーをピックアップしてみました。これはロードムービーと言えるの?と迷った作品もありますが、どれも私の大好きな作品ばかりです。
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『レインマン』
チャーリーの元に絶縁状態にあった父の訃報が届き、アテにしていた遺産は今まで会ったこともなかった兄・レイモンドに譲られることを知る。それを不満に思うチャーリーは自閉症で、数字に天才的な才能を持つレイモンドを連れ出して、ロサンゼルスに向かう…。
監督:バリー・レヴィンソン
出演:ダスティン・ホフマン/トム・クルーズ
製作:1988年/アメリカ
当初は金目当てでレイモンドに近づいたチャーリーでしたが、兄との時間を過ごすにうちに少しずつ心境が変化していきます。
印象に残るのはラスベガスのカジノでのシーンでしょうか。レイモンドの天才的な才能が輝きを放ちます。兄と弟のコンビネーションがぴったりで、このまま永遠にすべてがうまくいきそうな期待を抱かせてくれました。
チャラくて軽い雰囲気を漂わせ、兄を軽んじるそぶりを見せていたチャーリーでしたが、徐々にレイモンドへの態度は真摯なものへと変わっていきます。
アカデミー賞で作品賞など4部門を獲得。自閉症のレイモンドを演じたダスティン・ホフマンがアカデミー主演男優賞を受賞しています。
1980年代を代表する名作。若き日のトム・クルーズのかっこよさも必見ですよ。
▽以下の記事でも取り上げています。
『はじまりへの旅』
森の奥に住む風変わりなキャッシュ一家が森の外に飛び出して、てんやわんやの珍道中を繰り広げながら自分たちを見つめ直す。
監督:マット・ロス
出演:ヴィゴ・モーテンセン/フランク・ランジェラ/ジョージ・マッケイ
製作:2016年/アメリカ
一家の父親を演じたヴィゴ・モーテンセンが第87回アカデミー主演男優賞にノミネートされました。(※この年のオスカーを受賞したのは『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケイシー・アフレックでした。こちらもおすすめ。)
森のなかで暮らす生命力にあふれる子供たちの表情が強くて愛らしく、魅了されることでしょう。そして、彼らのトンデモ生活ぶりにおどろき、目を見張ってしまうこと間違いなし。
森の中で生きるからこそ得られるものがある一方で、”失われてしまうもの”もある…。
後半は少々シリアスな展開が続きます。子供たちにとって最善とはなんだろう?と、親の立場からも色々考えさせられる作品でもありました。
「普通であること」に拘りすぎて苦しくなってしまう人にオススメしたい作品です。
『リトル・ミス・サンシャイン』
ミスコンに憧れる少しぽっちゃりな少女オリーブが地方大会の繰り上がりでミスコン本大会に出場することになり、家族みんなで黄色いワゴンに乗り込んでコンテスト会場を目指す。
監督:ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス
出演:アビゲイル・ブレスリン/グレッグ・ギニア/トニ・コレット/ポール・ダノ/アラン・アーキン
製作:2006年/アメリカ
独自の成功理論を振りかざす支配的な父親、夫婦喧嘩の絶えない母親、しゃべらないお兄ちゃん、ぶっ飛び過ぎのおじいちゃん。
問題をたくさん抱えた家族がぶつかり合い、傷つきながらもオリーブのミスコン出場という目標を通じて一つにまとまっていく姿が描かれます。たくさん笑ってしんみりできる心あたたまる作品です。
オリーブを演じた、子役のアビゲイル・ブレスリンは今も役者として活躍中です。
ミスコンでのオリーブの活躍とおいしいところを持っていくおじいちゃんに注目!
『最高の人生の見つけ方』
ガンで余命6か月を宣告されたふたりの老人が「死ぬまでにやりたいことリスト」を手に、世界中を旅して人生を見つめ直していく。
監督: ロブ・ライナー
出演:モーガン・フリーマン/ジャック・ニコルソン
製作:2007年/アメリカ
ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマンというアメリカを代表する名優ふたりが共演しています。
性格も境遇もまったく違うおじいちゃんコンビの掛け合いが絶妙。くすくす笑わせるシーンも多い一方で、思わず感極まって泣いてしまうシーンもあります。泣きと笑いのバランスがいいんですよ!
雪国が舞台の作品ではありませんが、雪景色がとても美しいシーンがあり、私にとって今も忘れられない一場面です。
もしも自分の人生の終わりの期限が知らされてしまったら?
自分だったら何をするだろう?
思わずそう考えずにはいられない作品で、自分自身に大切なこととは何か?と問いかけたくなります。
大事な人に会いたくなるかも^^
『トランスアメリカ』
性別適合手術を1週間後に控えたブリーは、1本の電話によって今まで知らなかった息子の存在を知らされる。それは彼女が「スタンリー」という名前であったころ、たった1度の若気の至りでできた子供だった。ブリーは息子トビーに父であると明かすことなく、アメリカ横断の旅に出る。
監督: ダンカン・タッカー
出演:フェシリティ・ハフマン
製作:2005年/アメリカ
心は女性、体は男性というトランスジェンダーの難しい役どころを演じたのはフェシリティ・ハフマン。彼女の演技は絶賛され、アカデミー主演女優賞にノミネートされました。
また、息子トビーを演じたケヴィン・セガーズの美少年ぶりも目を引きます。
年齢を重ねた今もハンサムですが、この頃は特にすごかったんです。
物語の終盤、問題児トビーがやらかす”とある行動”。
大笑いがこぼれてしまいました(本人はいたって真面目なのですが…)。また、希望の感じられるラストシーンにほっとさせられます。
バート・ヤングが出演しており、『ロッキー』シリーズのファンの私には嬉しいポイントでした。(※バート・ヤングはロッキーの親友ポーリーを演じています)
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『アリスの恋』
かつては歌手だった専業主婦のアリス。夫を事故で失ったアリスは再び歌手を夢見て一人息子と故郷を目指す。 行き当たりばったりな旅は資金が足りず、アリスは道中の町で仕事を探すが、なかなか思うようにはいかないのだった・・・。
監督: マーティン・スコセッシ
出演:エレン・バースティン/ハーヴェイ・カイテル
製作:1974年/アメリカ
アリスを演じたエレン・バースティンがアカデミー主演女優賞を獲得した1970年代の名作ロードムービーです。監督はマーティン・スコセッシ。
エレン・バースティンは『レクイエム・フォー・ドリーム』でドラッグにハマる老女を演じた女優さんです。
▽『レクイエム・フォー・ドリーム』は絶望的な結末を迎えるバッドエンド映画として知られています。
タイトルに「恋」とありますが、恋愛に主眼を置いたものではなく、横暴な夫の支配下に置かれていた女性が自立し、自分らしさを取り戻していくお話です。
特別優秀でもなく、立派でもない、ごくごく普通の女性の姿が描かれています。アリスの世間知らずぶりや頼りなさに、やきもきさせられる部分があるものの、後半にかけてのアリスの変化は大いに好感が持てます。
子役時代のジョディ・フォスターが出演しており、中性的な美少女を演じています。その美貌と存在感は画面に登場した瞬間に目が釘付けになるほどでした。
ジョディはこの作品の後、マーティン・スコセッシの『タクシードライバー』に出演して大ブレイク。「告発の行方」「羊たちの沈黙」でアカデミー主演女優賞を獲得した大女優は子役時代からすごかったんです。
『100歳の華麗なる冒険』
老人ホームから抜け出した、100歳のアランおじいちゃんが繰り広げる華麗なる大冒険を描く。
監督:フェリックス・ハーングレン
出演:ロバート・グスタフソン/イバル・ビクランデル
製作:2013年/スウェーデン
アランは悪意のない天然ぶりで、次々とトラブルを引き寄せてはそのトラブルに自ら飛び込んでいきます。スウェーデン版『フォレスト・ガンプ』とも言われており、本国スウェーデンでは記録的な大ヒットを飛ばした作品。
タイトルから微笑ましい話を想像していたのですが、内容は意外にブラックな要素を多く含んでいます。おじいちゃんのおとぼけぶりと実際に起きる出来事のギャップが笑いを誘いました。
冒険と並行してアランおじいちゃんの華麗なる過去が徐々に明らかにされていき、ラストでは見事に伏線が回収されます。
実在の事件や人物も登場しますので、アランおじいちゃんがそれらにどうかかわって来たか…、驚きの真実をぜひ自分の目で確かめてほしいです。
『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
当たってもいない100万ドル宝くじが当たったと思い込んでしまったウディおじいちゃん。ウディの息子・デイヴィットは「これはインチキだ。」といくら言い聞かせても聞き入れない父を連れて、モンタナからネブラスカ州リンカーンを目指す。
監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ブルース・ダーン/ウィル・フォーテ
製作:2013年/アメリカ
全編モノクロで撮影された味のある映像も魅力の1つ。
主人公のウディのおとぼけぶりが笑いを誘い、ひどく振り回されながらも父想いの息子デヴィットの優しさにはしんみりさせられました。
デヴットは「インチキを信じ込んだ。」と周囲に嘲笑われる父を必死に守ろうとするんですよね。
クライマックスで息子が見せた最高の親孝行と、ウディのドヤ顔が大好きです。
主人公のおじいちゃんウディを演じたブルース・ダーンがアカデミー主演男優賞にノミネートされました。(※余談ですが、ブルース・ダーンはオスカー女優ローラ・ダーンのお父さんです。)
『ストレイト・ストーリー』
長いあいだ、絶縁状態にあった兄ライルが病に倒れた。ライルに会うために、アルヴィンおじいちゃんは小さなトラクターに乗って旅に出る。果たしてアルヴィンは兄ライルに会うことができるのか?
監督:デヴィット・リンチ
出演:リチャード・ファーンズワース/シシー・スペイセク
製作:1999年/アメリカ・フランス
トラクターの時速8キロ、それで500キロ以上を移動・・・。
気が遠くなりそうな・・・
無謀すぎて驚かされますが、この作品は実話が元になっています
ゆっくりとした長い旅路の中でアルヴィンはさまざまな人々に出会います。「一期一会」の出会いの中で、アルヴィンが紡ぎだす言葉は胸に迫るものがあります。
年を重ねて失われるものもありますが、その代わりに得るものもある。アルヴィンの味わい深い言葉たちがそれを教えてくれます。
静かに星空を見上げたい気持ちになりました。
『LIFE/ライフ』
主人公ウォルターは写真雑誌「LIFE」の写真管理部で働く、地味で冴えない中年男性。普段は好きな女性とまともに会話をすることもできないが、空想癖があり空想の中ではいつも勇敢で情熱的だった。
監督:ベン・スティラー
出演:ベン・スティラー/ショーン・ペン
製作:2013年/アメリカ
廃刊が決まった「LIFE」の最終号表紙に使われるはずの写真フィルムが見つからずピンチに陥ったウォルターは、フィルムのありかを唯一知っている写真家ショーンを追って世界を巡る冒険の旅に出る。
グリーンランド、アイスランド、ヒマラヤの山奥…ウォルターが訪れる土地の雄大な自然風景が美しい。圧倒されてしまう。
その大自然の中で、堂々とした佇まいを見せる冒険家&写真家ショーンのかっこいいこと!(演じるのはショーン・ペン!)
臆病で、冒険とは無縁であった男性が押し出されるようにして始めた冒険の旅。その旅は彼の人生に大切なものをもたらしてくれます。
あたふたと状況に戸惑い、流されていた主人公が旅のなかで徐々に変化していく様子は感動的で、最終号の表紙に選ばれた写真に何が写っていたかがわかったときは目頭が熱くなりました。
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『わたしに会うまでの1600キロ』
母の死を受け止めきれず、自暴自棄の生活に陥ってしまった女性シェリルは自身の行いが原因で結婚生活を破綻させてしまう。シェリルは自分を見つめ直すためにPCT(パシフィック・クレスト・トレイル)と一人で歩きとおすことに決意する。
監督:ジャン=マルク・バレ
出演:リース・ウィザースプーン/ローラ・ダーン
製作:2014年/アメリカ
邦題から「ハートウォーミングなお話」イメージしていたのですが、鑑賞してそのギャップに驚きました。
シェリルの旅路がとてつもなく過酷なのです。
メキシコからカナダまで続く長距離自然歩道PCTには毎年300人ほどが挑戦し、4~6ヶ月かけて全区間を歩き通すという。(成功する人は6割程度)
砂漠、雪原、深い森、険しい山道…シェリルはたった一人で歩き、越えていく。ゴールしたからと言って直接的に何かが変わるわけではない。しかし、ゴールしたシェリルのすがすがしい表情は、何かを成し遂げた者の達成感にあふれています。
きっとシェリルの未来は明るい。そう思わせてくれる作品でした。
『イントゥ・ザ・ワイルド』
裕福な家に育ち、大学も優秀な成績で卒業した青年が、すべてを捨てて放浪の旅に出る。たどり着いたアラスカの荒野でたった一人、大自然と向き合いながら暮らし始める。
監督:ショーン・ペン
出演:エミール・ハーシュ
製作:2007年/アメリカ
日常生活に退屈したとき「自然に触れたい。」と思うことは多くの人に経験があるだろう。しかし本作は一般的な「自然に触れたい。」というレベルをはるかに超えている。
主人公は生き難いほど純粋な青年で、容易には人を受け入れない厳しい自然の中に分け入っていく。その姿は無謀ではありますが、決して叶うことがないあこがれを追い求めている切実さを感じました。
たった一人、荒々しいむきだしの自然の中で、自分のみを頼りとして生きる。
会話の相手も自分のみ。どこまでも自分自身と向き合う生活…。その生活の果てに彼が日記に書き記した言葉が心に迫る。旅の途中で出会う人々との一期一会の触れ合いも涙、涙…でした。
『恐怖の報酬』
舞台はベネズエラ。500キロ離れた油田で大火災が発生。火災を消し止めるためには「ニトログリセリン」が必要だった。ニトログリセリンはほんの少しの揺れや衝撃で爆発してしまう危険なもの。高額の報酬を得るために危険な任務にになうことになった男たちは果たして無事にたどりつけるのか?
監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
出演:イブ・モンタン/シャルル・バネル
製作:1952年/フランス
男たちは流れ者ではみ出し者。金もなければ行き場もないはきだめような場所で鬱々と生きている。そこから脱出するために命を危険にさらしても金が欲しい。
彼らが行く道は平たんではない。曲がるのも困難な急カーブの山道、波打つようにひだのある道、大きな落石…etc。
ニトロが爆発すれば、即死亡。命がけの運転!
手に汗を握る展開が続きます。モノクロ映画ですが迫力満載で人物描写もリアルです。
2時間半と長い映画で、前半は男たちの鬱屈した生活が描かれるので少々退屈です。けれど物語が動き始めてからはハラハラドキドキの連続で目が離せませんでした。
前半は退屈で寝そうになりますが、負けないで最後まで見てほしい。
本作にはマリオとルイージというキャラクターが出てくるのですが、あの有名なゲーム「スーパーマリオ」のキャラクターにそっくりなんです…。もしかしてモデルなのかも?と思い、笑いがこぼれました。
追記:マリオとルイージについて調べてみましたが、偶然の一致だったようです。
『ザ・ロード』
天変地異により文明が崩壊したアメリカで、寒さから逃れるために南を目指して歩いていく親子の物語。動植物が死滅して食べるものがなくなり、生きるために人が人を食べる地獄のような世界。それでも父は「善き人」であり続けようとする。
監督:ジョン・ヒルコート
出演:ヴィゴ・モーテンセン/シャーリーズ・セロン
製作:2009年/アメリカ
『ノーカントリー』『すべての美しい馬』の作者コーマック・マッカーシーの小説『ザ・ロード』が原作。
空がチリに覆われ日が射さない重苦しい灰色の世界 。その荒れ果てた世界のビジュアルを美しいと感じてしまう。
良心や倫理観をなくした人々の食人行為が横行するなかで、それでも人間らしく生きようとする親子の姿が描かれます。彼らの存在は観る者にわずかな希望をもたらします。
けれど、希望よりも圧倒的な絶望が心を支配する…。この先、人類は滅びに向かっていくだけなのだから。重苦しいものが胸に残りました。
彼らは果たして最後まで「善き人」でいられるのだろうか?
『テルマ&ルイーズ』
平凡な主婦のテルマと、その友人でウェイトレスのルイーズ。ふたりはドライブに出かけた先でトラブルに巻き込まれ、男を射殺してしまう。ごくごくありふれた平凡な友人同士に見えたふたりが、あっという間に犯罪者になり、逃避行の旅に出る…。
監督:リドリー・スコット
出演:ジーナ・デイビス/スーザン・サランドン
製作:1991年/アメリカ
ロードムービーというより、犯罪者の逃亡劇の側面が強い作品ですが、決してイヤな感じはありません。むしろ痛快。抑圧されて虐げられてきた女性たちの”復讐劇”のよう。
さまざまなものから解放され、強く変わっていく女性たちの姿にエールを送りたくなる。
専業主婦で頼りなげなテルマと勝気で強気なルイーズ。話が進むにつれてふたりの印象が徐々に変わっていき、終盤では立場が逆転しているようにも感じました。
切なさと爽快感がごちゃまぜになったようなラストシーンは映画史上に残る名シーンです。
ジーナ・デイビスとスーザン・サランドン、ふたりの女優が素晴らしくかっこいい。
まだブレイクする前の若きブラッド・ピットのみずみずしい美貌も必見。
『地獄の逃避行』
15歳の少女ホリーとジェームズ・ディーンに似た流れ者の青年キット。ふたりは恋に落ち、交際に反対するホリーの父親を殺し、行き当たりばったりな逃避行をしながら出会った人を殺していく。
監督:テレンス・マリック
出演:マーティン・シーン/シシー・スペイセク
製作:1973年/アメリカ
1958年に起きた「スタークウェザー=ヒューゲート事件」をモデルにしています。
テレンス・マリックのデビュー作で、『トゥルー ロマンス』や『ナチュラル・ボーン・キラーズ』にも大きな影響を与えたと言われる作品です。
自分勝手で短絡的なキットとホリーの言動と行動にはイライラさせられますが、その一方でホリーの父親が「罰」と称してホリーにしたことは決して許されることではなく、ホリーの父親もどこかで壊れた人間だったのかなと思いました。
空や雲、水の表情をとても繊細に捉えており、 詩的で美しい映像が堪能できます。
美しい風景のなかで行われていることは残酷な殺人なので、美しさと行為とのギャップに切ないような虚しいような気持ちになります。
『パーフェクト・ワールド』
刑務所から脱獄し逃避行を続けるブッチと、その途中人質に取った8歳の少年フィリップ。逃亡を続けるうち、やがてふたりの間には父と息子のような絆が生まれていく。
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド/ケビン・コスナー
製作:1993年/アメリカ
高校時代に見て号泣した作品で、今でも忘れがたい作品です。
エホバの証人の家庭で育ち、厳しい教義でがんじがらめの生活を送っていた少年フィリップのために、やりたいことをひとつずつ叶えてあげるブッチ。
ブッチ自身も恵まれない家庭に育ちました。ブッチがフィリップにしてあげたこと。それはきっと彼自身が子供時代に大人たちにしてほしかったことに違いありません。
どうかこのまま「パーフェクトワールド」にたどり着いてほしい。そう願わずにはいられませんでしたが、追手の手はすぐそこに伸びてきている。
美しい結末は号泣必至です。
以上、私の好きなロードムービーを紹介しました。
まだまだピックアップしきれなかったもの、名作なのに観そびれている作品がたくさんあります。今後も色々幅広く映画を観ていきたいです。 素敵な作品に出会えたら随時追加します。