寺社仏閣と御朱印めぐりが好きで、普段は都内を中心に神社仏閣めぐりをしていて、旅先ではお寺や神社にお参りして御朱印を拝受することが多いです。
今回は伊豆城ケ崎の蓮着寺(れんちゃくじ)を訪れました。蓮着寺は鎌倉時代の僧、日蓮に縁のあるお寺です。名前の「蓮」は日蓮の蓮です。
蓮着寺とは
鎌倉時代の僧で、法華宗の宗祖日蓮(にちれん)にゆかりのあるお寺です。
日蓮は「立正安国論」を鎌倉幕府の執権北条時頼に提出し、幕府批判を行います。その結果幕府の怒りを買い、伊豆に流罪になってしまうのですが(いわゆる伊豆法難)、日蓮が流れ着いたのがこの地なんです。
だから日蓮が流れ着いた寺ということでお寺の名前が「蓮着寺」なんですね。
日蓮が流れ着いたとされる「俎岩(まないたいわ)」は蓮着寺の500メートルほど南にあります。あとでご紹介しますが、あそこに取り残されたの!?と、見て怖くなりました…。
日蓮は1261年に流罪になり、1263年に赦免されるまでこの地で過ごしました。蓮着寺の開山は1508年です。
蓮着寺の寺域は約21万坪もあり、国の天然記念物に指定されている日本最大のヤマモモの木があります。私が訪れた日は参拝客は私のみでとても静かに参拝することができました。
蓮着寺の最寄駅・アクセス
〒413-0231 静岡県伊東市富戸835
- 施設名:蓮着寺(れんちゃくじ)
- 住所:〒413-0231 静岡県伊東市富戸835
- 駐車場:あり
- 御首題:あり(300円)
- 最寄駅:伊豆高原駅または城ケ崎駅
最寄駅からのアクセス
最寄駅は伊豆高原駅または城ケ崎駅です。
- 城ケ崎から徒歩で約20分
- 伊豆高原駅からバス(海洋公園行き)で約7分、蓮着寺下車。蓮着寺バス停より徒歩4分。
近くにはニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデンがあります。(蓮着寺より徒歩約10分)
蓮着寺の境内
バス停からゆっくり坂を下っていくと、蓮着寺が見えてきます。ここからはゆるやかなのぼり坂が続きます。寒い日でしたが幸いなことに天気が良かったので、それほど寒さは感じず。
このすぐ左手には城ケ崎の海が広がっています。波の音を背後に聞きながら境内に向かいます。
袈裟掛(けさがけ)の松
ゆるりとした坂を上っていくと「袈裟掛の松」があります。
伊豆に流されてきた日蓮は烏崎(現在の日蓮崎)の崖下にある「俎岩(まないたいわ)」という岩の上に置き去りにされるのですが、そこを地元の漁師に助けられます。
そして濡れた袈裟をこのあたりの松の木に掛けました。松の木はその後大きく成長し、大木となり「袈裟掛の松」と呼ばれますが、昭和9年頃に大火により壊死。
現在はこのあたりの浜の松を二代目袈裟掛の松として、後世に由来を伝えています。
松の木が壊死するきっかけとなった大火の際には、江戸時代に建立された奥の院も火の海に包まれたそうですが、燃えずに残ったと伝わっています。
▽見上げると大きな松の木。
枝を広く伸ばし、頭上には松の緑が広がります。
さて、蓮着寺が見えてきました。
階段の手前に寺務所があり、こちらで御首題やお守りをいただくことができます。寺務所の向かいには参拝者用の駐車場もあります。駐車場の脇に奥の院に向かう「城ケ崎自然研究路」があります。
ちょうど見ごろを迎えたアロエが花を咲かせていました。アロエの花は初めて見たかも。こんな赤い花が咲くんですね。
本堂
正面に本堂があります。
境内には蓮着寺の由来や歴史を紹介するアナウンスが流れており、アナウンスに耳を傾けながらの境内散策となりました。
歴史を感じさせる古い木造の本堂にお参りをさせていただきます。
見ごたえのある彫刻。
凛々しすぎる日蓮さん
風に吹かれて袈裟の裾がひるがえってる日蓮の像。雲一つない青空をバックに、厳しい表情を見せています。恐れることなく幕府を厳しく批判したと言われる日蓮の強い意志を感じさせる表情ですね。
成就の鐘
一撞(ひとつき)100円以上で、鐘を撞く(つく)ことができます。願いを込めて。
近くにあるニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデンにいると蓮着寺の鐘の音が響いてくるときがありました。潮騒と鐘の音、どちらも心がふっとリラックスできるような音色です。
三十番神とぼけ除けおさすり妙法地蔵尊
三十番神の御堂があり、ぼけ封じの地蔵尊が祀られています。地蔵尊の頭をなでてさするとぼけないのだとか。
なでられまくって頭がつるつる、ピカピカの地蔵尊。もちろん私もなでておきました。自分はもちろん、両親や祖母のことも願って。
三十番神とは法華宗の信仰者を守ってくれる30の神々のこと。神様が日替わりで交互に守ってくれるそうです。
神様の名前はこちら。
樹齢100年を越えるヤマモモの木(国の天然記念物)
蓮着寺の境内に生える大きな木。これはヤマモモの大木で、推定樹齢は1,000年を越えているそう。根回りは7メートル以上もあり、国内のヤマモモの木では最大級!国の天然記念物にも指定されている貴重なヤマモモの木です。
絶景ポイント!奥の院へ
駐車場の脇にある「城ケ崎自然研究路」へ進むと奥の院があります。
海のすぐ真横を通ります。塩の香りを風を頬に感じながら先に進みます。
石喰いのモチノキ
うっかり見落としそうになりますが、なんだか気になる「石喰いのモチノキ」を見に行きます。「石喰い」ってなんだか怖そう。。。
あった、モチノキ。なんで石喰いなんだろう…?と思いきや…。
木が石を巻き込んで成長している。まさに石を喰ったかのように…。
その名の通り石を喰っている石喰いのモチノキを見たあと、城ケ崎自然研究路をさらに先へ。
道そのものは危ない道ではないですが木が鬱蒼と茂っているので、暗くなるとちょっと怖いと思います。昼間の日が高いうちに行くことをおすすめ。
森を抜けていくと、視界がぐんとひらけます。目の前には断崖絶壁の日蓮崎と俎岩がありました。
日蓮崎と俎岩
日蓮崎はほぼ垂直に切れ込んだ断崖絶壁で、登るにはイーサン・ハントばりのロッククライミングが必要かも。(※『ミッション・インポッシブル』シリーズでトム・クルーズが演じる凄腕スパイ。とにかくいろんなところに登ります)
その日蓮崎のすぐ前にあるのが「俎岩(まないたいわ)」
波しぶきでほとんど隠れている!高い波が来ればそのまま海に引きづりこまれてもおかしくない荒々しい海上の岩に、日蓮は1人取り残されたのだそうです。
地元の漁師に助けられたそうですが、助ける方も命がけだったかもしれませんね。
奥の院
こちらが奥の院です。本堂よりもずっと新しいです。
目の前には遮るものは何もない海と空が広がります。なんと広大で美しいことでしょう。
城ケ崎自然研究路といハイキングコースになっており、ハイキングしている人に出会うことがあります。私が奥の院にお参りしていると、突然森の中から人が現れてびっくりしました。海のそばのハイキングコース、気持ちよさそう!
伊豆城ケ崎の海をこんなに間近に見ることができる絶景の蓮着寺のご紹介でした♪
さて、来た道を引き返します。次の目的地はニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデンです。
蓮着寺の御首題
お参りをすませたあと、蓮着寺にて御首題をいただきました。
御住職が留守だったため、書置きをいただきました。300円をお納めしていただくことができます。