映画を見ていて、『これって本当にあったことなんだ!』と知っておどろくことがありますよね。
私は実話ベースの映画が大好きです。ニュースなどで見たり聞いたりしたできごとが、実写でリアルに再現されることで感動や衝撃が増すように思います。
今回は大好きな「実話を元にした映画」をテーマに映画をピックアップしてみました。
その中でも奇跡の生還劇や感動的な家族のドラマ、恐ろしい犯罪や訴訟などいくつかのテーマをわけてご紹介しています。
※結末そのもののネタバレはしていませんが、私の感想を添えているので雰囲気は伝わる部分があります。ご注意ください。
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奇跡の生還劇を描いた実話
絶望的な生命の危機に直面しても決して諦めることなく生還した人々の物語を描いた作品。
『127時間』
登山家アーロン・ラルストンは人通りのない谷間に落下し、巨大な岩に右腕をはさまれて身動きが取れなくなってしまう。絶体絶命の危機から生還した奇跡の実話。
監督:ダニー・ボイル
主演:ジェームズ・フランコ
動けない、助けは来ない、水も食料もない、、、。しかし、アーロンは生きることを決して諦めない。
強い生への執念を持って、必死に生きようと試行錯誤をくりかえす。クライマックスで、アーロンが生きるために下した決断は大きな衝撃とともに観客の胸を打ち抜きます。
自分だったら…と考えると、生きのびるよりもラクに終わらせる方法を探してしまうかもしれません。。
ジェームズ・フランコがアカデミー主演男優賞にノミネート。ほとんど身動きが取れない状況で生死の危機に直面したアーロンを演じたジェームズ・フランコの演技は必見です。(その他作品賞を含む6部門にノミネート!)
関連⇨【サバイバル映画】絶体絶命!雪山・無人島・宇宙空間、生き残るために戦う人々。
『インポッシブル』
2004年のスマトラ沖地震に遭遇し、離れ離れになった家族のものがたり。生存と再会を信じて家族を探しつづける姿を描く。
監督:J・A・バヨナ
出演:ナオミ・ワッツ/ユアン・マクレガー
地震発生当時、津波のニュース映像を見て大きな衝撃を受けたことをよく覚えています。クリスマスの翌日のことでした。リゾート地なので観光客がたくさん巻き込まれたんですよね。
楽しいひとときが一瞬にして悪夢に塗り替えられる。容赦なく襲いかかる暴力的な津波の描写はとても生々しく心をえぐられます。自然の力の前に人間が非力で脆い存在であることを思い知らされる。
みずからの命が危険にさらされていても親は必死に子どもを守ろうとする。その姿に胸を打たれずにはいられません。
子どもたちも本当にかわいらしくていい子たちなんですよ。どうか早く見つかりますように…。見ていて祈るような気持ちにさせられる作品です。
ナオミ・ワッツがアカデミー主演女優賞にノミネート。
『生きてこそ』
ウルグアイのラグビーチームの学生ら45名を乗せた飛行機がアンデス山脈に墜落。72日後に生還するまでを描く。1972年10月に実際に起きた事故がもとになっています。
- 監督:フランク・マーシャル
- 出演:イーサン・ホーク
若い頃のイーサン・ホークが出演しています
くりかえし見ている好きな映画です。内容はとても重く、「自分だったらどうするだろう…。」とつい考えてしまいます。
生存者たちは生還後も好奇の目で見られたり、批判されたりしたことです。なかには心を病んでしまった人もいたらしい。
でも、もしも私があの場所にいたら…。きっと同じ決断をしたと思います。
関連⇨【サバイバル映画】絶体絶命!雪山・無人島・宇宙空間、生き残るために戦う人々。
『キャプテン・フィリップス』
2009年に起きたソマリア海域での海賊船による貨物船人質事件を描いた作品。貨物船の船長リチャード・フィリップスは20人の乗組員を解放することを引き換えにたった1人で船に残る。そして海賊との命がけの駆け引きが始まる。
- 監督:ポール・グリーングラス
- 出演:トム・ハンクス
いかにもトム・ハンクスらしい強い責任感とタフな精神力を持った男の姿が描かれます。
『アポロ13』、『ハドソン川の奇跡』『キャスト・アウェイ』…トム・ハンクスは危機的状況でも冷静沈着な判断力と状況に翻弄されない自制心で奇跡を成し遂げるのが似合いますね^^
アカデミー賞では作品賞をはじめ6部門にノミネート。
『アポロ13』
月への目指して打ち上げられたアポロ13号が地球へ帰還するまでを描く。
- 監督:ロン・ハワード
- 出演:トム・ハンクス/エド・ハリス/ケヴィン・ベーコン
宇宙空間で遭遇した絶体絶命の事故で、アポロ13号のクルーたちは宇宙空間に取り残されてしまう。万策尽きたと何度も諦めそうになる危機的な状況が続くなか、クルーとNASAのスタッフは英知を振りしぼる。地球と宇宙、遠く離れた場所にいながら彼らの目的は同じ。
「生きて地球に帰ること」
船長を演じるトム・ハンクスはもちろん脇を固めるエド・ハリス、ケヴィン・ベーコンらのシブい演技も堪能できます。アカデミー賞9部門ノミネートうち2部門で受賞。
\映画・ドラマを楽しむなら/
ドラマチックすぎる、嘘みたいな本当のお話。
「これが本当に起こったこと?」初めて知った時は心から驚きました。ウソみたいな本当のお話です。
『アルゴ』
台は1979年、イラン革命が激化するテヘラン。実際に起きたアメリカ大使館占拠事件で、人質にされた職員たちの救出計画を描く。
- 監督:ベン・アフレック
- 出演:ベン・アフレック
ベン・アフレックが監督と主演をつとめました。
人質たちを救出するために「アルゴ」という架空の映画の撮影計画をでっちあげ、人質をその製作スタッフに紛れ込ませて出国させるという、途方もない計画…。
本気?冗談でしょ?
と聞きたくなるような荒唐無稽で大胆な計画。それを考えつくのもすごいし、実行して成功させたのはもっとすごい。成功するとわかっていても最後までハラハラドキドキで気が抜けません。
本作でジョン・グッドマン演じたジェン・チェンバースは『猿の惑星』の特殊メイクを担当し、アカデミー賞も受賞した実在の人物です。
アカデミー賞は作品賞を含む7部門にノミネートうち3部門を受賞。
『LION ライオン 25年目のただいま』
5歳でインドで迷子になった青年が家族を見つけだし、25年ぶりに奇跡的な再会を果たすまでを描く。主人公が使ったツールはグーグルアース!
- 監督:ガース・デイヴィス
- 出演:ニコール・キッドマン/デヴ・パテル/ルーニ・マーラ
実話だと知らずにこの映画を観たら「都合よすぎじゃない?みつかるわけないでしょ。」と言いたくなるような展開なのですが、これがまぎれもない真実なのです。
号泣、号泣。
特に絶妙のタイミングで明かされた「ある真実」、その意味がわかった瞬間にさらに涙があふれました。
デヴ・パテルがアカデミー助演男優賞にノミネート。(その他作品賞を含む6部門にノミネート。 )
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
- 監督:スティーブン・スピルバーグ
- 出演:トム・ハンクス/レオナルド・ディカプリオ
物語の舞台は1960年代。16歳から21歳までのあいだに世界中で詐欺を行い、約400万ドルを稼いだ実在の詐欺師フランク・アバグネイルと彼を追うFBI捜査官の姿を描く。
堂々と自信たっぷりを嘘をつく人には、人間は意外にコロッとだまされてしまうものかも?心のスキを見事に突いて相手に疑う余地も与えないフランクの詐欺の技術の素晴らしいこと!
すごすぎてあっけにとられてしまう。詐欺師を引退したあとのフランクの人生もまた、数奇すぎて嘘みたい。でも本当の話です。
アカデミー賞では2部門ノミネート。
『ビッグ・アイズ』
1960年代のアメリカのポップアート界で人気を博した画家、キーン夫妻。夫のウォルターの作品として発表された作品はすべて妻のマーガレットが描いたものだった・・・。前代未聞の替え玉スキャンダルを描く。
- 監督:ティム・バートン
- 出演:エイミー・アダムス/クリストフ・ヴァルツ
見どころはクリストフ・ヴァルツ演じるウォルターのモラハラぶり。はじめは優しく人当たりのよかったウォルターが異常な本性を見せるシーンはぞっとさせられます。
そして内気で自己主張が苦手だったマーガレットが自由を勝ち取るために戦い、強く変わっていくところもとてもいいです。いつも自信なさげだった表情が生き生きとしたものに変化していきます。
\映画・ドラマを楽しむなら/
元気をもらえる本当のお話
実際にあったちょっといいお話。笑顔と元気をもらえる本当のお話です。
『パッチ・アダムス』
ジョークで人を笑わせることによって患者たちの心を癒す医師の姿を描く。
- 監督:トム・シャドヤック
- 出演:ロビン・ウィリアムズ(『グッド・ウィル・ハンティング』でアカデミー助演男優賞を受賞)
笑うことによって免疫力があがる。よくそのように言われますが、パッチが生きた時代ではそういった説は認められておらず、笑いで人々を癒そうとする彼の治療法は医学界では評価されませんでした。
周囲の無理解にさらされながらも自分の信念を貫く強さに心打たれます。
今は亡き、大好きなロビン・ウィリアムズ主演の作品です。
アカデミー賞作曲賞にノミネート。
『最強のふたり』
事故で首から下がマヒしてしまった富豪の男と、彼の介護役になった黒人青年の交流を描くフランス映画。
- 監督:エリック・トレダノ/オリビエ・ナカシュ
- 出演:フランソワ・クリュゼ/オマール・シー
最初から最後まで笑いに満ちた作品です^^
ドリスは刑務所から出たばかりで決して品行方正な人間ではないけれど、フィリップに対しては偏見もなく過剰に気を使うこともない。
「そんなんでいいの?」
こっちがひやひやしてしまうほどストレート。気難しいフィリップとは当然衝突もするけれど、だんだんと絆を深めていく。
たくさん笑わせてくれますが、胸に熱く迫ってくるシーンもあり、泣きと笑いのバランス、緩急の付け方がすばらしい傑作です。
▼ドキュメンタリー作品もあります。
『クール・ランニング』
オリンピックに出場できなかったジャマイカの陸上選手がボブスレーで冬季オリンピックの出場を目指す姿を描く。
- 監督: ジョン・タートルトーブ
- 出演:ダグ・E・ダグ/レオン
ジャマイカは雪の降らない暖かい国。選手たちにはまったくボブスレーの経験がなく、そもそも雪や氷に馴染みがありません。
そんな限られた環境のなかで彼らなりに工夫を凝らして努力する姿は、本人たちはいたって大真面目なのだと思いますが、笑いを誘います。
たくさん笑って元気になりたいときにオススメの一作です。
\映画・ドラマを楽しむなら/
家族の絆を描いた本当の物語
家族のためなら困難なことにも立ち向かっていける!強くあたたかい家族の絆を描いた本当の物語です。
『ロレンツォのオイル』
副腎白質ジストロフィー(ALD)という難病に侵された幼い息子ロレンツォのために、治療法を探して奮闘する両親の姿を描く。
- 監督:ジョージ・ミラー
- 出演:スーザン・サランドン/ニック・ノルティ
スーザン・サランドン、ニック・ノルティが夫婦で共演。
最愛の息子が治療法のない不治の病に冒されたとき、どうするだろう?
セカンドオピニオンを求めて病院を何件も回るか、運命として受け入れるのか、神に祈るのか…。ロレンツォの両親はそれだけではなかった。
自分たちで治療方法を見つけ出そうと私財をなげうち研究をし、実際に新しい治療方法を発見してしまいます。
「ここまでするのか…。」
この作品を見たのは高校生のときでしたが、ロレンツォの両親の「執念」とも言える愛情の深さに感動を越えて”恐ろしさ”のようなものを感じたのを覚えています。
監督は『マッド・マックス』のジョージ・ミラー。ちょっと意外な気がしました。
主演のスーザン・サランドンがアカデミー主演女優賞にノミネートされました。(全2部門ノミネート)
『ボビー・フィッシャーを探して』
チェスの天才的な才能を持つ7歳のジョシュとその家族の姿を描く。
- 監督:スティーブン・ザイリアン
- 出演:ジョー・モントーニャ
息子を伸ばすべくスパルタ教育を施す父と、父の期待に応えようとするジョシュ。
ただチェスが好きで楽しんでいたジョシュだったが、その才能の大きさゆえに周囲の期待と自分の想いがかけ離れていく…。
7歳のジョシュのチェスに対する想いはとてもピュアです。ジョシュの父親もコーチもジョシュの才能を伸ばすためにスパルタ教育を行うのですが、それは一歩間違えば子供の心を深く傷つけかねない。双方の熱意がすれ違うのは辛いものがあります。
才能を伸ばすために厳しい練習も大切ですが、もっと大切な”何か”がある。ジョシュの周囲の大人たちがそのことに気付いてくれるのが救いです。
アカデミー賞1部門ノミネート。
関連⇨【天才登場】天才の苦悩や活躍を描いたおすすめ映画まとめ
『幸せのちから』
事業に失敗し、幼い息子を抱えてホームレスになってしまった男性が、証券会社の株トレーダーの養成コースを経てアメリカン・ドリームを実現するまでを描く。
- 監督:ガブリエレ・ムッチーノ
- 出演:ウィル・スミス/ジェイデン・スミス
ウィル・スミスの演じるクリス・ガードナーの息子を、ウィル・スミスの息子ジェイデンが演じたことが大きな話題になりました。
「大切な人がいるからがんばれる。」
「愛する人のために戦わなきゃならない。」
勇気と前向きなメッセージを与えてくれる作品です。
ウィル・スミスがアカデミー主演男優賞にノミネート。
『ストレイト・ストーリー』
アイオワからウィスコンシンまで560キロの道のりを時速8キロのトラクターで旅するアルヴィンおじいちゃんの姿を描く。
- 監督:デヴィット・リンチ
- 出演:リチャード・ファーンズワース/シシー・スペイセク
かつては仲良しだったものの、疎遠になっていた兄。病気で倒れてしまった兄に会いたい。ただその想いだけでおじいちゃんは無謀ともいえる旅に出ます。
しわの1本1本が今までの人生を語るような、アルヴィンの表情がいいのです。さまざまな人々と一期一会のふれあいをしながら、何気なくアルヴィンがつぶやく言葉は胸に染み入ります。
果たしてアルヴィンは兄に会うことができるのか。淡々とした映画ですが、静かな感動と優しい気持ちに包まれる名作ロードムービーです。
主人公アルヴィンを演じたリチャード・ファーンズワースがアカデミー主演男優賞にノミネート。
関連⇨【名作ロードムービー】おすすめのロードムービー。 人生を変える旅に出たくなる!
\映画・ドラマを楽しむなら/
実際に起きた犯罪・事件
実際に起きた、恐ろしい事件、悲しい事件。人生をかけた闘いなどを描いた本当のお話です。
『嘘を愛する女』高橋一生・長澤まさみが共演!
食品メーカーに勤める川原由加利は、研究医である優しい恋人・小出桔平と同棲5年目を迎え、公私ともに充実した日々を送っていた。そんなある日、自宅で桔平の帰りを待つ由加利のもとに、警察が訪ねてくる。桔平がくも膜下出血で意識を失っているところを発見されたのだが、桔平の所持していた運転免許証や医師免許証はすべて偽造されたもので、職業も名前も全てが嘘であると判明したのだ。出典:映画.com
長澤まさみと高橋一生が共演が大きな話題になりました。実話を元にした物語で、高橋一生が「氏名も職業もすべてが嘘」という謎の男を演じています。ミステリアスな雰囲気がぴったりですね!
この映画は1991年に実際に起きた事件からインスピーレーションを受けて製作されています。
『嘘を愛する女』の元になった実際の事件って?
1991年、5年間ともに暮らした夫が病死したため、内縁の妻が死亡届を出そうとして発覚しました。
夫には戸籍がなかったのです。氏名・職業・学歴、すべてが嘘。身分証明証も偽造されたものでした。
自分の愛した男性は誰だったのか?考えるとぞっとしますね。妻が振り返って考えてみると、夫は病院嫌いで、決して病院には行かなかったそうです。きっと保険証がなかったからでなのしょう…。
嘘を重ねても、内縁の妻と一緒にいたかったのでしょうか?嘘で塗り固めて消し去りたい過去に何があったのでしょうか?
後日、男性には妻がいたことがわかります。本妻が言うには、ある日ふらっと家を出てそのまま帰らなかったそうです。しかし、本妻の元を去ってから内縁の妻と出会うまで、どこで何をしていたのかは、まったく不明…。真実はわからないままです。
『乙女の祈り』
1954年にニュージーランドで起きた10代の少女2人による殺人事件を描く。ジュリエットとポウリーン。高校生の少女はなぜ母親を殺したのか?
- 監督:ピーター・ジャクソン
- 出演:ケイト・ウィンスレット
想像力が豊かで感受性の強い少女たちの危うい絆。少女ならではの潔癖性と残酷さ。劇中に挿入されるオペラの歌も美しく、2人の少女の想像の世界の表現も幻想的で、この年代ならではの少女の”揺れ”と”不安定さ”を見事に表現しています。
ジュリエットのモデルとなった女性はイギリスで作家(筆名:アン・ペリー)として活動しています。2020年時点で存命で81才とのこと。
ジュリエットを演じたのはまだ有名になる前のケイト・ウィンスレットで、この当時から抜群の存在感と演技力が光ります。
監督は『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン。あまり知られていない本作品ですが、今から思うととても豪華なメンバーですね。
アカデミー脚本賞ノミネート。
『スノーデン』
アメリカ政府による個人情報監視の実態を暴いた元CIAのスパイ、スノーデンの半生を描く。
- 監督:オリバー・ストーン
- 出演:ジョゼフ・ゴードン・レヴィット
なぜスノーデンは自分自身のキャリア、高給、恋人との幸せな生活すべてを捨てて情報を暴露したのか?
国を守るという使命を抱いてCIA職員となった若者がだんだんと追いつめられていくさまは見ていて痛々しいものがあります。
秩序と治安を維持するためとはいえ、どこまで国家の介入を許すのか、観客も難しい問題が突きつけられます。
▼ドキュメンタリーもあります。
『ゾディアック』
1960年代後半から1970年代前半にかけてアメリカで実際に起きた連続殺人事件「ゾディアック事件」を追う男たちの姿を描く。
- 監督:デヴィット・フィンチャー
- 出演:ジェイク・ギレンホール/マーク・ラファロ
事件を追う男たちは、なにかに憑りつかれたように段々と狂気を帯びていく。
サスペンスというより人間ドラマの色が濃いですが、姿が見えない真犯人が、じりじり、じわじわと忍び寄る不気味さも感じられる作品です。
本作では犯人らしき人物が浮かび上がりますが、現実では事件はいまだ解決されていません。模倣した事件が起きたり、近年でも真犯人は○○と新説を唱える著書も出版されるなど人々の興味が薄らぐことはありません。
『フォックスキャッチャー』
1996年に実際に起きたデュポン財閥御曹司のジョン・デュポンによるオリンピック金メダリストの射殺事件を描く。
- 監督:ベネット・ミラー
- 出演:スティーヴ・カレル/チャニング・テイタム/マーク・ラファロ
普段はコミカルな演技の印象が強いスティーブ・カレルが不気味な存在感を放っています。
あれ?いつもと顔が違う?
思ったらデュポン本人に似せて特殊メイクをしているらしいです。(アカデミーメイクアップ賞ノミネートされています)
ジョン・デュポンは自身のドキュメンタリー番組をドヤ顔で自作するなど、自分を過大評価しすぎでイタい人です。ありあまるほどの財産を持ち、たいていのことは思うがままにできてしまうがゆえ、なのでしょうか…。
お金では手に入れられないものに必死に手を伸ばして足掻いているようにも見え、哀れというか、気の毒というか、なんというか・・・。
目の前にデュポンがいたら、得体の知れない恐怖に震えあがりそうです。
スティーブ・カレルがアカデミー主演男優賞にノミネート(全部で5部門ノミネート)
『隣の家の少女』
アメリカで実際に起こった少女監禁殺人事件(シルヴィア・ライケンス事件)を元にした作品。
- 監督:グレゴリー・M・ウィルソン
- 出演:ブライス・オーファーズ/ブランチ・ベイカー
よくぞここまで残酷になれるな…とげんなりさせられます。凄惨な少女への虐待の描写が続きますので、胸くそ悪くて最後まで見るのはかなりの力を使います。
あんまりオススメしません。本当にきついので、、、。
同じ事件を映画化した作品にエレン・ペイジ主演の「アメリカン・クライム」という作品があります。「アメリカン・クライム」の方が少し見やすいかも(どちらもキツイですが)
関連⇨【痛すぎる映画】『一度見たら二度を観る気になれないホラー映画17本』
▼こちらも同じ事件をモチーフにした作品です。
『ザカリーに捧ぐ』
ある日、突然殺された愛する息子。殺した女のおなかの中には、殺された息子の子が宿っていました…。
- 監督:カート・ケニー
想像を絶する悲劇におそわれた夫婦の記録で、ドキュメンタリー作品です。
ここまでの残酷な出来事が、こんな善良な夫婦の身の上の起こっていいのか…と、心底怒りを感じます。
ものすごく後味が悪くてショックを受ける作品なので心の準備をしっかりしてから見ることをオススメします。
ザカリーに捧ぐ : 松嶋×町山 未公開映画を観るTV [DVD]
関連⇨『人間不信になる/絶望する映画25本(米サイトBuzzFeed選出)』
関連⇨「心がつぶれそうになる映画20本」
『告発』
舞台は1930年代後半。アルカトラズ刑務所で実際に起きた殺人事件の被告ヘンリー・ヤング と、彼の弁護を担当することになった若き弁護士ジェームズとの友情を描く。
- 監督:マーク・ロッコ
- 出演:ケヴィン・ベーコン/クリスチャン・スレーター
なぜヘンリーは殺人を犯したのか?
ヘンリーの供述からアルカトラズ刑務所の劣悪な環境や囚人に対する虐待が明らかになっていきます。
この事件がのちにアルカトラズ刑務所を閉鎖に追い込むことになります。ヘンリーが受ける非人道的な扱いは非常に痛ましく、目を背けたくなります。
若き弁護士と囚人。立場を越えた友情が芽生えていくところは少しだけ救われる思いがしますが、後味はよくないです。
『チェンジリング』
1920年代後半に発生したゴードン・ノースコット事件を元にした作品。
- 監督:クリント・イーストウッド
- 出演:アンジェリーナ・ジョリー/ジョン・マルコヴィッチ
- 製作:2008年/アメリカ
ある日突然行方不明になった息子の生存を信じ、戦い続けた母親の姿が描かれます。子どもが消えてしまうというだけで心がつぶれそうですが、主人公はさらなる悲劇に見舞われるのです。
こんなことがあっていいのか…。人権意識もまだまだ希薄だった時代とはいえ、警察権力の腐敗と横暴には吐き気を催すほどの嫌悪感を感じます。
当時のロサンゼルスの街並みや衣装などを再現した重厚な映像が見事ですし、『トゥームレイダー』『ソルト』など、アクション映画の印象が強めだったアンジーが見せてくれた確かな演技力もみどころです。
第81回アカデミー賞でアンジェリーナ・ジョリーが主演女優賞にノミネート(合計3部門ノミネート)
『スタンドアップ』
子どもを連れて故郷に出戻ったシングルマザーのジョージ―は金を稼ぐために男たちの世界であった炭鉱で働き始めた。しかし、男性職員から露骨で卑劣な嫌がらせを受ける。全米初のセクハラ訴訟でジョージーが勝訴を勝ち取るまでを描く。
- 監督:ニキ・カーロ
- 出演:シャーリーズ・セロン/フランシス・マクドーマンド
どれほど傷つけられようが踏みつけられようがジョージ―はたった1人、不屈の精神で立ち上がる。なぜ彼女は戦うのか。彼女の過去に何があったのか、すべてがわかった時は涙があふれました。
シャーリーズ・セロンがアカデミー主演女優賞にノミネート(助演女優賞のフランシス・マクドーマンドと合わせて2部門にノミネート)
『インサイダー』
- 監督:マイケル・マン
- 出演:ラッセル・クロウ/アル・パチーノ
アメリカのタバコ産業の不正を告発したテレビプロデューサーとたばこ会社の研究開発員の姿を描く。
テレビプロデューサーをアル・パチーノ、タバコ会社の告発者をラッセル・クロウが演じる。
派手さはないものの、2人の深みのある演技は必見の価値あり。大企業に圧力をかけられ苦悩しながらも、すべてを投げ打って自分自身の信念を貫き通す生きざまが胸に迫ります。
「ニコチンには中毒性がある。」
今となっては当たり前の真実ですが、その事実は長年隠されてきたのです。人々の健康よりも会社の利益を優先した結果です。巨大企業が会社を守るために徹底的に2人をつぶそうとするさまは背筋が寒くなります。
アカデミー主演男優賞にラッセル・クロウがノミネート(作品賞を含め、計7部門にノミネートされた)
以上、嘘みたいな本当の実話を元にした映画でした!
まだまだご紹介したい作品はあるのですが、今日はこの辺で。この記事は随時更新で、良い作品があれば随時追加していきたいと思っています。